レンアイ 遊興




そう言った空先輩の表情とか、声のトーンとか、その景色とかが

鮮明に思い出してきて…


私、なんでこんなにはっきり覚えてるんだろう。


空先輩は彼女がいるんだから、諦めなきゃいけないのに…


彼女が…いるんだから。


彼女が

いるんだから…



「…くし?おーいつくし」


「えっ?」


拓ちゃんの言葉にハッとして顔を上げる。


「な、何?あっそっか練習だよね。ごめんね、どこからやろっか」


いつも通りにって思いながら、そう言ってパラパラ台本を開いた。


何も言わない拓ちゃん。


「あれ、拓ちゃん?」


不思議に思い、ふっと顔を上げた瞬間。



一一一え?




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