レンアイ 遊興




そう言って、間宮さんに近付いて行くオレ。


ポケットをあさる間宮さんの顔を見て、あっと声を上げる。


大きな絆創膏。

すぐにあいつらに殺られたものだとわかった。


「はいっ。今は多分朱音たちの劇だと思うけど…」


そう言って鍵を差し出して微笑む間宮さんの姿を見て、

どうしようもなく切なくなって。


「痛い思いさせてごめんね」


眉を下げてそう言うことしか出来ないオレは情けない。


「鍵ありがとう」


間宮さんから鍵を受け取り、教室から出る。



「空!」


あきの言葉に、教室に顔を出す。


あきは何かを悟ったのか、オレにこう言った。


「負けんなよ」




< 265 / 412 >

この作品をシェア

pagetop