エリートな彼に甘く奪われました
「そうね…。うんと大きなダイヤを選んで遼の青い顔でも見ようかな」

私が涙を拭いながら意地悪を言うと遼はまた「あはは」、と笑った。

こんなに表情豊かな彼を見るのは確かに初めてだ。

私達の間で見えない壁が少しずつ崩れ去っている、そんな気がした。

私も彼に合わせて背伸びしたり、言葉を慎重に選んだりしていない。

遼はそんな私の心中を実は全部分かっていたのではないだろうか。

彼のいつもの魔法で私の心の渦を消し去ってくれたのではないだろうか。

「あのね?、…遼」

「ん?」

「……いいわ、何でもない」

「ん?何だよー」

彼が笑いながら私を捕まえようとじゃれついてきた。

私も笑いながら彼を押し退けて逃げまどう。






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