プラトニック・ラブ




落ち着け、なんて人に言ったくせに自分が落ち着けなくなっている。



「えーっと…確か深谷の名前も叫んでたような気がするんだけど…」



どうやら先生は、あたしと深谷の名前を叫びながら学校中を走り回っているらしい。



…恥ずかしくないのかよ。


ってかこっちが恥ずかしいっての。



こうなると教室に来るのも時間の問題だ。



あたしは立ち上がると素早く教室全体に視線を巡らす。


そして深谷を見つけると、



「美沙! あたしと深谷は逃げるから、三山と上手くやっておいてくれると助かる!」



そう美沙に告げると、美沙の返事が返ってくる前に駆け出した。



またまた鬼ごっこスタートのよう。



捕まりたくない。


捕まったら昨日の倍以上の面倒なことをやらされるに決まってる。



捕まりたくない。


絶対捕まらない!



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