プラトニック・ラブ
あたしは掴まれている手を見て、そしてゆっくりと視線を上に上げていく。
「…何?」
警戒心マックスの声で呟くと、深谷は大きくため息を零し、そして舌打ちをして、
「…遅い」
そう言うと思いっきりあたしの腕を引いた。
と、同時に走り出す。
「うおぉいぅ!!」
あっぶねぇ!
床に顔面ダイブをするところだった!
もう二度とやりたくない顔面ダイブに冷や冷やしながら、転ばなかっただけ良かったとは思うものの、いきなり何も言わずに引っ張られたことのイラつきは収まらない。
「危ないな!! いきなり引っ張んじゃねぇよ!!」
ガーっと爪を立てながら唸るあたしに、深谷は物凄く迷惑そうに眉間にシワを寄せると、
「チンタラ走ってんのが悪いんだろうが!!」
ライオンのように唸り返されたから、
「何だと?!」
負けじとあたしも言い返してみる。