プラトニック・ラブ



だから、



「ごっ…ごめんなさいっ!!」



まずは謝っておこう。


しっかりと。



これ以上機嫌を悪くさせないのが今は重要だと思ったから、一先ず謝った。


けれどそれからどうしたらいいのか分からない。



大きなため息が電話越しに聞こえてくる。


あたしは冷や汗を流しながら黙りこくる。



最初に話題を切り出したのは迅の方だった。



「起きたばっかりか?」



「…え?」



あたしのポカンとしたその声に、迅は舌打ちすると、



「今起きたばっかかって訊いてんだ!!」



怒鳴ってきた。


どうやら早速機嫌をもっと悪くさせてしまったよう。



その声に急かされるように、間を空けずに正直に述べるあたしの声は震えているかもしれない。




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