プラトニック・ラブ
同時に口にほおりこまれたイチゴ。
きっと高価なやつなんだろうなぁと、即座に思うほど今までに食べたことのないくらい甘かった。
「美味いか?」
「…美味しいです」
何となく。
本当に何となくだけど、こういうお父さんがいたら良かったなと思ってしまった。
あたしはお父さんの顔を覚えていない。
どこかにお出かけに行ったことや、遊んだことだって覚えていない。
というか、遊んだことなんてあったんだろうか?
だからなのかもしれない。
この人に流されてしまう。
「…あの」
「ん?」
デザートを作っているんだろうか。
手は止めずに声だけで返事をしてきた。