プラトニック・ラブ




「な、名前を訊いてもいいですか?」



あたしはカウンター席に寄り、その作業を見ることにした。



スポンジに手際良く塗られていくクリームを、あたしはキラキラした目で見つめる。



すごい上手い。


そして美味しそう。



生き地獄だ。



一瞬手を止めあたしをチラっと見つめると、何が面白いのか、小さく笑ってから、




「佐藤だ。ここの社長とは幼馴染で、つい最近までは店を主に経営してたが、ここに来るよう頼まれてここのシェフと店とを両立するようになった」



以上。とでも言えそうなくらい、それは上手くまとめられた言葉だった。



名前しか返って来ないだろうと思っていたあたしはちょっと驚いた。


訊こうと思っていたことを全て言われてしまった。



「そ、うですか」



「まだ何か訊きたいことはあるか?」



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