君と私の特別
朝はたっくんが家を出る時間より
20分くらい早く
放課後は授業が終わって
すぐに教室を出た
そうしてたっくんから離れていった
今になって思う
私達って行きと帰りしか
会うときなかったんだって
行きも帰りも一緒にしなくなった今
たっくんに会うことはなくなった
たまに学校で見かけるくらいで
それ以外は全くだった
「優希!」
「え、あ‥ごめ」
「またあいつのこと見てたでしょ」
そう言われて
私がさっきまで見ていた場所に視線を戻した
あ、たっくん‥‥
「あんなやつ忘れよ?」
「‥だね」
あれからたっくんは
行きも帰りも避けた私に
電話も、メールも
呼びにくることも
一度だってしなかった
そのことに腹をたてた真由ちゃんは
おかげでたっくんが大っ嫌いになった