♂見習いサンタ♀
へぇ…怖いものなんてないイメージがあるけど……
『無理なんですよぉ…あの黒光りしたボディーといい…いざとなったら飛んだり、カサカサ動いたり……』
キララが嫌そうな顔で身震いした
ゴキブリは俺達に気付かずカサカサと部屋を堂々と行き来する
『……お前、可愛いとこもあるんだな』
『……なっ!!?』
顔を真っ赤にして驚いた様に俺を見上げるキララを玄関に置いて部屋の中へ入る
俺の気配を察知して動きを止めたゴキブリを指差して俺は口を開いた
『……イレイズ』
次の瞬間にはゴキブリはスゥ…っと姿を消していった
キララが恐る恐る部屋へ入る
『…消えたんですか?』
『……あぁ、消した』
俺は部屋の奥に取り付けられた窓を開けた
どうもこの部屋は空気が悪い
『…レオさんが魔法を使うの久しぶりに見ました』
『…私欲には使わない様にしてるけど…お前が怖がってたからな』
『…あ、ありがとう』
キララがもじもじしながら俺にお礼を言う