鬼の名の下
あ、雨の匂いが強まった・・。



半刻しないうちに、振り出すだろうな・・。



そんなことを、男に担がれながら思っていたら、突然体が浮いてどこかに落とされた。



『いっ!』


「着きましたよ。明ちゃんはどこですかね?」



・・・。あ、新撰組の屯所だ。


早くね?

歩くの早くね?

着くの早くね?

つか、有得なくね?


打った腰を擦りながらあたりを見渡せば、どうやら屯所の庭のようなところに落とされたらしい。


「あ、居ました。土方さぁぁぁあん!」


「五月蝿ぇ総司!!!」


「あ、失礼ですねー。折角連れてきたというのに!」


「あ、沖田さん連れてきてくれたんですか!?」


「うん。君の言っていた山にまだ居たからね」


そんな話が遠くて聞こえた。


そう言えば、もともとこの人たちに捕まって居たんだよね。僕。




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