AL†CE!

6限終了のチャイムで、大地は目覚めた。

具合はだいぶ落ち着いていた。

「顧問の先生には言っておくから、今日は部活休みなさいね」

保健の先生がやさしく言ったので、大地は起き上がり、かばんを手に上履きをはいた。

「ありがとうございました」

ガラガラ_

先生がドアを開けてくれた。
笑顔で見送ってくれる。

大地は会釈をして保健室を出た。


「よぉ」


「功!」


功が学ラン姿で立っていた。
帰り支度はすませてあるようだ。

「…病院の日か」

功は笑顔で頷いた。

功は喘息持ちだった。
小さい頃は症状が重く、18歳になった今でも月に1度、外来にかかっている。
発作が起こることはほとんどないが、喘息のことを触れても詳しくは話そうとしないので、大地は唯一の理解者だった。


「お前が調子崩すんだもん、ちょうどよすぎだろ!」

けらけらと笑って、功は大地の肩を叩いた。




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