年下王子は意地悪王子





それが何を意味しているのかを悟ったあたしは、颯ちゃん…と体をよじらせ、腕の中から逃れようとした。




「先生」




そんなあたしを颯ちゃんは許さずに、解くどころかむしろ、強くあたしを抱きしめる。




「俺が呼んだんです。一緒に昼飯食べたいから来てくれって」



「っ颯ちゃ…!」



「琴音は悪くない」




キッパリとそう言い切る颯ちゃん。


目の前の先生はというと、怒りのせいか、肩をふるふると震わしている。


その形相に縮こまるあたしの頭を、颯ちゃんはゆっくりと撫でた。




「藤木先生ッ!私はそんなことを言ってるんじゃない…!君もいち教師なら、そのような行動を慎むべきだと言っているんだ!」




先生のあまりの剣幕に、あたしはくるりと振り返って、颯ちゃんの腰に抱き着いた。


なんで…


何でそんなこと言うの……?


あたしたちは、ただ―…
< 43 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop