年下王子は意地悪王子
で?って言われても……
何の、“で?”
「いや、よくここに来たなって思ってさ。朝の電話じゃ、来ないと思ってたのに」
時折可笑しそうに小さく笑う颯ちゃん。
あぁ、そういう意味…
あたしも立ち上がり、お湯を沸かしている颯ちゃんの隣に立つ。
「…あたし、ほんとはここに来るの、嫌だったの」
「だろうな」
すぐさま相槌を打たれ、ムッ…とした顔をすると、さらりと綺麗に受け流された。
それどころか、で?と話の続きをせかせかと促される。
もう……
いっつも颯ちゃんは…
ハァ…とひとつため息を落とし、目の前のコップに映る自分を見つめた。
「颯ちゃんが怒ってるって思ったんだもん。だから嫌だったの」
「ふーん」
「“ふーん”じゃないよ!」
何よぅ…
自分で聞いておきながら、そんな気のない返事して。