Secret*Hearts
いつもは暗い時間に、裏門からこっそりと忍び込む感じだったからな……
そんなことを思っていると、隣の華梨がくすりと控えめに笑う。
何事かと思って顔を見れば、ちょうど目が合った華梨が言葉を紡いだ。
「なんか、不思議。こうやって憐と、手をつないで庭を歩くなんて。」
「……そうだね。」
同じタイミングで、似たようなことを感じていたことに苦笑が漏れた。
こんな状況で、これから試練が待っているってのに、案外落ち着いている自分たちに驚く。
それでもやはり、荘厳な玄関を前にした瞬間、俺たちの足は止まった。
…――――――この先に、華梨の両親が居る。
そう思うと、急に心拍も速まってきた気がした。
「憐。」
「大丈夫。……ほら、行こう。」
でも俺なんかより、当事者である華梨の方が色々と感じているはずなんだ。
華梨の両親からしてみれば、俺はただの部外者にすぎない。
不安げに俺を見上げる華梨を少しでも安心させようと軽く微笑み、握っていた手を強く握り直す。一度大きく息を吸い込んで思い切り吐き出し、格式高い浅井家の敷居を跨いだ。