Secret*Hearts
それにしても、こう中に入ってしまうと、いかに自分が場違いであるかが痛いほどわかる。
自分が今、誰を相手に喧嘩を売ろうとしているのかを改めて考え、苦笑するしか他なかった。
この豪邸内外の様子や雰囲気を見ると、華梨の両親が華梨を家柄を理由に束縛するのも理解はできるけれど。華梨の苦しみを知っているだけに、納得はできない。
だからこそ、たとえこれから何を言われたとしても、されたとしても、ただ簡単に引き下がるわけにはいかないんだ。華梨のためにも。
そんな決意を改めてするように、華梨とつないでいない右手を強く握り締めた。
…――刹那、
「華梨ちゃん……!」
パタパタと音を立てて階段を駆け降りて来た若い女の人。
目鼻立ちが華梨に似ていることから、それが華梨の母親であると推測した。だって華梨には姉妹はいないし、一緒に暮らしている親戚はいない。
「マ、マ……、」
案の定隣でそう呟いた華梨は、母親から隠れるように俺の後ろへと一歩下がった。
でも、駆け降りてきた母親の手によって引き寄せられ、その行為は無に終わったけれど。