Secret*Hearts
「憐。」
「これからだよ、華梨。」
「うん…、そうね。」
そうだ。勝負はこれからだ。
だから、まだどうなるかもわからないのに、そんな顔をしないで。
そんな思いで華梨の手をそっと握れば、華梨の表情が少しだけ和らいだ。
「ありがとう、憐。」
「何言ってんの。“ありがとう”はまだ早いだろ。」
「確かにそうね。でもあたし、憐がパパと話をしようとしてくれるだけで嬉しいの。」
「そんなこと…、」
そんなこと、ない。
だって話をするだけなら、別に俺じゃなくたって、誰だってできるんだよ、華梨。
でもそんな言葉、悲しげに微笑みながら瞳を伏せた華梨には言うことなく口内で霧散した。
―――刹那。
「待たせたね。」
そう言って入室してきた、華梨の両親。
堂々としたその姿からは、やっぱりすごい威厳を感じる。