Secret*Hearts


「何のマネだ。」

「話はまだ終わってません。」

「聞きたくない。」


聞きたくないじゃなくて、聞いてもらえなきゃダメなんだ。
鋭い瞳が俺を睨み付けているのに動じないふりして、俺は話を続ける。


「華梨と初めて会ったとき、華梨は泣いていました。そのときから俺、俺が華梨を支えたいって、もうひとりで泣かせたりしたくないって、そう思ったんです。」

「…そんな話はどうでもいい。早くそこをどけろ。」

「華梨が、偽りの無い本当の自分でいられる場所が無いのなら、せめて俺といるときだけでも、本当の華梨でいさせてあげたかった。」


―――全ては華梨のために。

最初はそう、確かに思ってたのに。
いつの間にかそれは、俺が華梨と一緒にいるための理由に変わっていた。


「まだまだ未熟で、無力で、何もできないのはわかってます。でも俺は、これからもずっと、今までのように華梨と一緒にいたい。傍にいたい。…――大切なんです、華梨のことが。他のどんなことよりも。」


たとえどんな犠牲を払ったとしても、華梨といられるなら全てを投げ打つ覚悟だよ。
そのくらいの覚悟で、今日、俺はここに来た。


< 44 / 47 >

この作品をシェア

pagetop