トライアングル

派手な容姿とは裏腹に、頭のいい里香子は入門試験なんて、たやすいものだったんだろう。


だけど、里香子は特に何もしてくる様子はなく
話す機会も全くなくなった為、俺は油断してたんだ。

公香を好きになって、振り向いてもらうのに夢中で
里香子の存在を忘れてたんだ。



バカだよ、俺は。

頼むよ、公香。
俺の名前呼んで?
そしたら俺、飛んでくのに――――



「はぁはぁはぁ―――
きみ、か!!
どこにいんだょっ」


旅館内は、ほとんど探した。
だけど、やっぱり公香はいなくて。


…………………ん?旅館内?


あっ!!!!!
まだ、肝心なところを探してなかった。

一番、この旅館で一番
思い出ができた場所なのに。


「―――っい、ない」


猛ダッシュで中庭に出てきた。
だけど、公香の姿はない。





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