ただ君が好きで


「最近、雪菜は海斗くんとどうなの?」



“海斗”っていうのが、あたしの今の彼氏。

「えーっ?特に何もないよ?笑」




「でも、昨日一緒に帰ってたよね?今日も一緒に帰るの?」


「まーね…笑」



学校の違う海斗は、あたしより早く学校が終わる時は、この学校の校門まで迎えに来てくれる。


行きは優太と登校して、帰りは海斗…だから、あたしと優太が隣に住んでいる事を知らない先輩とかには股をかけてるとよく勘違いされたなぁ…。



優太は友達。
友達と登校しちゃダメなの?

って言ったら、最初は嫌がってた海斗だけど、了承してくれた。



海斗はあたしの頼みを断れない。
それは、あたしが怖いとかじゃなくて、自分より他人の気持ちを優先してくれる優しい人だから。




あたしはそれを知っていた。







「雪菜は、海斗くん好きじゃないの…?」




「…わかんないよぉ」



あたしに海斗は、自分の事好きじゃなくてもいいからって、
ただそばにいてほしいんだ、
って言った。




「海斗くんは、それでもいいっていうなら、いいんじゃない?」


「そうだけど…」

なんとなくこのままじゃダメなんじゃないか

って思う。



でもそばにいてほしいって言われただけに


どうしていいか分からない…。





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