ただ君が好きで
何時間、投げ合ってたのか分からない。
あたしたちは息を切らして床に座り込んだ。
「あっつー…」
優太は袖をまくり上げる。
「ってか、部屋…やばいよね?」
床に散らばった教科書…。
布団もめちゃくちゃ。
「これっ…片付けないとやばいな」
2人してため息をつく。
さすがに、いい年して暴れすぎたと思う。
その時、
「優太ー、部屋にいるの?」
優太のお母さんが階段を登って来る音が聞こえた。
あたしたちは目を合わせて焦る。
綺麗好きの優太のお母さんが、この部屋を見れば怒るに決まってる。
「優太っ、どうする?」
「とりあえず、全部布団の中に隠せっ」