嫌いなあいつは婚約者
「由紀……!」
顔を赤らめながら松田に近付く真巳先輩。
「離せよ!ほんと、マジでやめろって!!
意味が分かんねーよ!!」
「はいはい照れない照れない。」
ニヤニヤとするクラスの男子たちに捕まれ、動けない状態の松田。
なのに、近付く真巳先輩。
このままじゃっ!
ギュッと拳を握ったとき、司会の人が松田と真巳先輩の間に入った。
「はい、これ以上はまた2人っきりになったときにでもしてください。それでは、次!」
ホッと胸を撫で下ろす私。
松田のこと諦めたはずなのに、やっぱり諦めきれずにいる自分が嫌になってくる。
帰ろうとしたとき、マイクから聞き覚えのある声が聞こえた。
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