嫌いなあいつは婚約者


「別に……関係ない。」

そう言った水野さんに便乗して、真巳先輩も声をあげる。



「そうよ由紀!由紀の婚約者はあたしな訳だし、俺のものって……あたしの前で堂々と浮気発言するつもりなの!?」





松田の腕に手を絡めて引っ張る。


松田はその腕を解くとはっきり言った。



「先輩、いい加減その妄想癖どうにかしてくださいよ。何回も言っただろ、付き合えませんって。」


「でっでも、あたしを婚約者って!」




必死に縋り付く真巳先輩。


その光景を、まるで関係ないように聞いてた私の元に松田が近寄った。









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