虹が見えたら
なるみは真樹の寝室の前の廊下まで真樹を連れて行き、杖を床に置いて真樹を床に座らせるのを手伝った。
「ここからは這っていけるから。合鍵で戸締りだけ頼むね。
じゃ、おやすみ・・・?!」
立ち上がる前になるみは真樹の唇に自分のそれを重ねた。
「な・・・」
「前の仕返しよ。今なら弱ってるから反撃できないでしょ。フフッ」
意地悪な表情でなるみが笑うと、真樹は両手でなるみを横倒しにしてなるみの首筋に口づけた。
「ああっ・・・」
「忘れ物。いちおう男子校へのお遣いだからね、男避けのおまじないさ。
おやすみ・・・」
寝室の戸をピシャっと閉め、真樹は布団に飛び込んでいた。
「なんてこった・・・意思よわっ 俺。」
なるみは出口へ向かいながら、首筋を手で押さえた。
管理人室の戸締りをして、自分の部屋にもどってから鏡で自分の首筋を見た。
「こういうのって普通は彼氏がつけるんだよね。
もぉ!大人のキスの復讐してやったりと思ったのにぃぃぃぃーーーー!
こんなおまじないなんて・・・。
体が熱くて眠れないよ。」