虹が見えたら
真樹は少し、困った顔をしながら


「あれ・・・なるみちゃんは僕が寮の女の子たちとしゃべってる方がいいの?
てっきり会社に出てる方がいいと思ってるとばかり・・・」



「えっと、最初は女子寮の管理人なんてどうして?って思ったけど、真樹さんは学生に手を出す人じゃないもん。
お兄ちゃんとできてる説は不滅だし。うふふ・・・」



「はぁ・・・そっちを広めるかなぁ。
ま、寮にいるとストレスはたまらないな。
みんなかわいいコばっかりだし。
こんなこというと、もう僕がおっさんになった証拠なのか・・・。」


なるみはクスクス笑いながら

「老後までめんどうみてあげるから大丈夫よ。あはは・・・」



「おい、言わせておけば!」

真樹は軽くなるみの頭を手で押さえると、うつむいたままのなるみを抱き寄せて言った。


「その言葉、本気でそのまま理解するからな。
ずっとめんどうみてくれよ。」



「うん、まかせてよ。」



なりゆきの会話・・・楽しかったけれど、なるみは少し物足りない気がした。

((いったい私は何を期待していたんだろう?



けっこう高価な指輪だし、素直にもらってうれしいのに・・・。


不安が消えない気がする・・・。))

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