虹が見えたら


以前より、部屋に書類が散らばっていたりするが、真樹の部屋らしくひどく汚れている様子などは見受けられなかった。


「いきなり部屋をチェックか?あはは・・・手厳しいな。」



「ううん。真樹さんはもともときれい好きさんだから。
チェックする必要なんてないよ。」



「女性の影など一切ないからね。
お茶を入れる前に言っておきたいことだけ話す。」



「な、なに?」



「もうすぐ卒業だろ。
虹色寮も卒業だからさ・・・就職してもう住むあてなんてできたのかな?って。
まさか保育園に住み込みってわけないよね。」



「うん、ないよ。
お兄ちゃんとこも短期なら出たり入ったりできるけど、ずっととなるとダメだしね。お互いに・・・。

だからここはやっぱり・・・思いきって独立し・・・」



「家はある。なるみがずっと住める家はあるから。」



「えっ!」


真樹はなるみの言葉をさえぎるようにそういった。





「ただし、ひとりで住むには大きすぎるし、俺は許可できない!」



「どういうこと?
許可できない家なのに、ずっと住めるって・・・」





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