虹が見えたら

真樹の普通でない焦り方に、慌てて管理人室に飛び込んだなるみは、目の前の光景に驚いた。


さやかがブラジャーとパンティ姿で立っている。


「ま、真樹さん!さやかに何を・・・」



「違う!誤解だって。
勝手にやってきていきなり脱ぎ出したんだって。」


「さやか・・・どうしてこんなこと。
早く服をきましょう。」



なるみがそういってさやかに服を渡そうとすると、さやかはなるみの手を払いのけて言った。


「私がここに住めるように便宜をはかってくれるのなら、大人しく今日は帰ります。
でも、嫌と言われるなら実力行使あるのみです!」


真樹は後ろを向いた状態で返事をする。


「申し訳ないけど、僕はこういうやり方で屈することはできない。
寮のみんなの安全を守るのも仕事だからね。
みんなの中には伊織も入っている。

君がどういうことをしてきても不正をすることはできない。」



「じゃ、しょうがないわね。
私もこういう手は使いたくなかったけど、自分の信念を貫くためには犠牲は必要だわ。
さ、あなたも脱ぐのよ、なるみ!」



「ええっ!!さやか・・・やめて。
いやっ・・・」



さやかはなるみに手錠をかけジーンズを脱がし始めた。


「やだ、いやぁ。さやか、やめて。」


さらにさやかはなるみにハサミを見せつけて脅すと、上半身の服を切ってしまい、しまいにはなるみの履いているパンツも切ってしまった。



「バカなことはやめなさい。
このままじゃ、君は犯罪者だ。」




「それでもかまわないわ。私だって必死なんだもの。
私にとびかかる?
そんなことしたら、なるみのはずかしい映像が学校で流されることになるわよ。」
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