キマイラ
「愛澤に無視されてんじゃん」
「モテ男なんだからつれない愛澤さんばっか絡んでないで、もっと可愛い子と話せよ」
「そうか?女の子はみんな可愛いし、愛澤さん笑うと可愛いぞ?」
「は!?愛澤が笑う!?」
「見たことあんの!?」
その時、俺はなぜか後悔していた。
自分でもわからないが愛澤さんが笑ったことを友達に言った途端、ドキッとした。
「あ、いや、一瞬だけ……」
「へぇー貴重だな」
「笑えるんだあの人」
「なんで笑ったんだ?」
なんで笑った?
なんで笑ったんだろう?
食べもしない飴を貰って?
「……さあ?」
分かれば苦労しない。
「愛澤さんって中学の頃からあんな感じなのかな?」
「そういえばどこ中って言ってたっけ?」
愛澤さんの過去。
何かが原因で彼女はああなってしまったのだろうか?