キマイラ
「同じ中学の子いないんじゃなかった?」
「親ってどんな奴だろう?」
愛澤さんの謎は浮上する。
「つかミステリアスキャラ気取ってるだけじゃねーの?」
ハハハと笑う友達。
違う。
彼女に長く接してきた俺にはわかる。
「それは違うと思うぞ」
彼女には何かある。
俺が真面目な顔して言ったことに友達は少し驚いた表情を見せた。
が、すぐに笑って言う。
「出た!紳士春樹!冗談に決まってるだろ〜」
「あ!それよりさ最近テレビで有名になってる変な奴ら知ってる!?」
そして話題は変わる。
紳士とか言うけど、自分が今そんな気持ちで否定したとは思えなかった。