彼女は人間管理人。
 決して授業を放棄されたわけではない。


 これがここ、二年四組が学校から無理矢理与えられた『常識』だった。



 他のクラスが本日最後の授業のラストパートを駆けている時間、二年四組は下校の準備を着々と進め、下校を始める。



 僕も例外ではない。



「美戯、お前寝てただろぉ! お前も居眠りするんだな」


 分かり切ったことを尋ねてくる恭輝を無視しながら、鞄に少ない荷物を詰める。



 一応云っておくが、いつもいつも彼を無視しているわけではない。


 今日はそういう気分なのだ。

 幸いか不幸か、彼の強靭な心はそれぐらいでは何とも思わないだろう。



 恭輝の言葉以外に発される物は存在しない。


 空気のようなクラスメートは一言も喋らない。それを苦と思わない僕らは、この教室においては『通常』だ。
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