流星ラジオ


「海がなかったら…砂浜はただの砂漠なんだから」

無償で助けてくれる砂名の存在はとても尊いものだった。

だから羽美も砂名の気持ちに応えるため、全力で砂名と向き合った。


どれだけ波が遠くに引いてしまっても、砂浜は動くことなく待っていてくれる。

波が迫ってくれば、真正面から受け止めてくれる。


羽美にとって砂名はまさにそんな存在だった。

海と砂浜は離れることがない。
羽美と砂名もまた、離れることなくずっと友達でいるのだと思っている。


だから嘘をつくことなく、誠実に気持ちを伝えようと思った。

たとえそれが砂名を傷つけるとしても。


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