月物語 ~黒き者たちの宴~
眠っているようで、身体は眠っていないのだろうか。
とにかく気だるさが身体から離れない。
彩夏のあっけらかんとした返答には些か驚いた。
いつも、どんな小さなことでも相談に乗ってくれるのが彩夏だ。
その彩夏がさらりと流すということは、本当に気にしなくてよいことなのかもしれない。
寧ろ、これは天界においてはごく当たり前の症状なのかもしれない。
考えてみれば、月の満ち欠けに応じている、女性の周期と同じようなものではないか。
そう考えると、今日はゆっくり眠れそうな気がした。