月物語 ~黒き者たちの宴~

―3―




「おい、劉巾!」



全力で突っ走る劉巾を、獅子は呼びとめた。



「今はあんたと、遊んでる時間はない。」



獅子を振り切ってまた駈け出そうとするのを、獅子は力ずくでとめる。



「おい、待てって。
そっちは御史殿―――
ってもしかして、お前…」



劉巾は鍵を突き付けた。



「おい、それ…
わかった。
俺も行く。」



二人は、御史大夫の部屋を目指した。



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