月物語 ~黒き者たちの宴~
「口を慎め!」
珍しく声をあげた朱雀に、劉巾も「おっ」と眉をあげた。
「共犯か?」
「違っ―――」
「そうだ。」
朱雀が否定しようとするのを、劉巾が遮る。
「なぜ寵愛を受けながら…」
「それはわからぬ。
だから、“彩夏の身はこちらで預かる”」
劉巾は、どうどうと彩夏を守った。
彩夏を生かすには、それしかなかった。
真実を突き止めるまでの間、生かすことができる。
朱雀にもそれがわかっていた。
けれど、劉巾の言い様に腹が立ってつい、その計画を崩すところだった。
「いやしかし、そう言うわけにもいかぬでしょう。
王を殺したのですよ。」