万華鏡

5.リョウ君



翌日も通常の仕事が終わってからの穴埋め作業になった。

二人で分担して入力していると宮下さんが言った。

「ねえ、谷原さぁん。谷原さんと関口さんてぇ、付き合ってるんですかぁ?」

「い…いきなり何?誰か噂でもしてるの?」

「噂…ていうかぁ、この間の歓迎会の時、先帰ったじゃないですかぁ。その時関口さんと一緒だったって聞いて、付き合ってるのかなぁと…。」

「ううん。たまたま気分が悪くなって送ってもらっただけ。宮下さんが心配するような事なんて何もないわ。」

「そっかぁ。ごめんなさぁい。変な事聞いてぇ。」

心底ほっとした顔をした彼女。

関口君の事、本当に好きなのね。

関口君ももう少し彼女に対する見方を変えてあげればいいのに…。

「そろそろ終わりにしよっか。もうすぐ8時だし。一緒に駅まで行こう。」

「はぁい。」



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