万華鏡


今日は雨だし、外へは行けないなあ。

ボーッと窓の外を眺めて昔の事を思い出していた。




あれは私が小学6年で千尋が4年だった。

終わりの会が終わって教室から出ると、千尋が待ってたんだ。

一斉にクラスメイトが出ていく中、廊下の隅におどおどと立っているのを見つけた。

「あんた、何してんの?」

「…理佳子ちゃん待ってた。」

「先に帰ればいいのに…。」

「だって理佳子ちゃん、傘忘れたでしょ?一緒に帰ろ。」

それを聞いたクラスの男子が、

「谷原の奴、相合い傘して帰るんだってよー!」

と大きな声で囃し立てた。

回りにいた子も興味津々で、

「誰?誰?」

と言って私と千尋をジロジロと見てくる。





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