失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



「じゃあ、今度」


「あぁ」


そういってお互いに電話を切った。


「――はぁ」


ため息がこぼれた。


こんなにも自分が臆病だったことに初めて気付かされた。


今更だけどね。


武とあう約束の日は三日後。




―――――――――――


「今日は、俺の奢りです」


そう言ったのは大翔。


そして、大翔の前にあるテーブルには、大量のシュークリーム。


ちなみに手作り。


「こういうのは奢りとは言わない」


あたしの真面目なつっこみも、シュークリームを前にしたヤンキーどもには届かない。


「ひゃっほーい!いっただっきまーす!」


どんだけ嬉しいんだよ。


大雅が一番近くのシュークリームを掴んで食べた。




そして、倒れた。




あ、危ない。





「どうした大雅!?」


大雅のまわりをいっきに取り囲む大翔以外のヤンキーたち。


「ちなみに中身の保証はしません」


後付けで大翔がそう言ったとたん、陽の目が変わった。









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