失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
ちぇ、あたしは参加する気なんてこれっぽっちも無かったのに。
シュークリームは一口サイズで残りはあと5つ。
ちなみに危ないやつの個数は分からないらしい。
5つということは、陽と、あたしと颯太と優真君と大翔で4つ。
あと一個余るやないか。
「まぁそれはその辺のやつらにあげるわ」
大翔の提案により、関係の無い犠牲者がでる可能性が発生。
すまん。
「取ったか?」
陽の呼び掛けにみんなが頷く。
「せーの!だからな!」
もう分かったから。
「せーの!」
パクっ
もぐもぐ
口に広がるのは甘いカスタードの味と香り。
普通においしいシュークリームだった。
亜美は安心したとたんに余裕が生まれてきて、誰が引っ掛かったのか気になってまわりを見渡した。
……………誰も倒れない。
みんな美味しそうに口をもぐもぐさせていた。
ついでにみんなでキョロキョロ。
いつまでたっても誰もおかしなことにならない。
これはもしや……
「まさかの全員セーフ?」
一番つまらないパターンですか?
つまんないね。