失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



「つまんねぇ」


颯太があたしの考えていたことと同じことを言った。


「おーい!一輝!シュークリーム食べるか?」


大翔が何やら窓に向かって声をかけた。


犠牲者発見。


「食う!」


大翔がシュークリームを投げた。


陽の目が一瞬曇ったが、恐ろしいシュークリームを食べるのには抵抗があるのか何も言わなかった。


そして、一輝と呼ばれた彼がどうなったのか知るものはいない。


―――――――――――


「そういえばあたし、忙しくなるからしばらく来れない」


そう言ったとたん、颯太があたしの横に座ってきた。


「どうした!」


「なんでもねぇ」


「何でもなくねぇよ」


だがしかし、あたしの言葉は華麗に無視されました。


あれか、あたしの言葉だけ聞こえない病か?
ならばすぐに病院にいかねば!
でも何科だろ?
外科?脳外科?耳鼻科?


「黙ろうか」


「すいません」


また心の声がだだもれだったみたいだね。


「おい、ちょっと!」


大翔があたしを呼んだ。


手招きしているのを見ると、どうやら秘密の話らしい。





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