失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
お父さんはその宣言通り、ちゃんとご飯の時間には帰ってきた。
「お帰り、亜美」
「ただいま」
あいさつもそこそこにお手伝いの人を含め、みんなが席に着いた。
「いただきます」
みんなでてをあわせて合掌。
食べながら話したのはアメリカでできた友達のことや、生活の困った事。
日本に帰ってこれたのはたった五回。それも慌ただしくて、家に帰れたのは一回だけ。
しかも一泊も出来なかった。
話したいことは山ほどある。
少し伸びた髪。
ナチュラルに綺麗を意識するように変えたメイク。
大人っぽい服。
あたしに似合うかどうかはよくわからないが、これも成長の一つなのかもしれない。
「あ、佐伯さん。ちょくちょくお米送ってくれてありがとう」
「いえ、亜美さんはお米が大好きですので……」
「お米食べないとご飯食べた気しないんだよね」
アメリカにいた頃、1ヶ月に一度は佐伯さんがお米を送ってくれていた。
お米大好きな亜美へのプレゼント。
「米だけ送ってたの?」
瑠伊が驚いている……ってことはこのことは知らなかったのか。