失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
寝顔をじっと見てればいきなり目が開く。
「っわ!」
「見物料とんぞ」
ほんと、口を開かなければ、いい顔してんのに。
「あんた、大人しくしてればもっとモテるよ」
「俺様は黙っててもおねーさんが寄ってくるからいいの」
くたばれ。
そういってまた眠ってしまった。
目をつぶれば美しい顔。
「……口を開かなければ、ねぇ」
「襲うぞ」
やっぱり口は開かない方がいいみたいだ。
「大雅が嫌なら俺が優しくしてやろっか?」
ここには変態しかいないのか?
あたしは大翔を睨んでおいた。
「お子ちゃまには冗談が通じないみたいだな」
あんた真顔だったよ。