失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
ほんと嫌になってくる。
でも不思議と嫌いにはなれなかった。
たぶんそれはこいつらがシュークリームが好きだからだと思う。
そんなギャップ、いいと思う。
「亜美、眠たい」
「寝れば?」
陽が目をこすりながら言うから、そう返せば、ムッとした顔を向けられた。
なんだよ!
「眠たい」
何回言っても同じだよ。
「だから何?」
「……寝る」
さっさと寝てしまえよ。
まったくめんどくさい奴らだ。
「ごめんね。バカばっかで……まぁ、亜美ちゃんも負けず劣らず……何でもない」
負けず劣らず何ですか?
バカなんですか?
いや、バカですけどね。
もしかして変態ってことですか?
あたしは純粋な乙女です。
「ブッ。お前が純粋な乙女だと?寝言は寝ていえ」
「起きてますけど」
心の中で言ったはずなのに、純粋な乙女という単語はしっかり口から漏れてたみたい。
大翔が大爆笑している。
海に沈めたい。