失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



大翔たちは出ていってしまった颯太君に見向きもしないで、漫画を読んだりしている、



陽はいつの間にか寝てやがる。


ご丁寧に雑誌を顔の上に広げて。



漫画みたいだね。




「あたし、嫌われてる?」


別に誰かに返事を期待したわけではないが、思いがけない人物から声が返ってきた。



「別にお前個人が嫌いなわけじゃねぇよ。だからきにすんな」



頭に雑誌を広げたままの陽が答えてくれた。



「……そっか」



納得したわけじゃない。



でも何か理由があるんだと思う。






………………………。





気になる。





「聞くんじゃねぇよ!」



大雅が漫画から一切目を離さずあたしに言った。



また口から漏れてたみたいです。



これ気を付けなきゃね。




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