甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~

  
孝太が開きかけの唇をギュッと結んだ。

だから孝太の顔をじっと、距離感が分からなくほど見詰めた、いや見惚れた。

次に孝太はあたしに何を言うのだろう。


「センパイ、来月誕生日でしょ」

「あ、うん」

忘れてた。自分の誕生日なのに。でも、何?


「誕生日のプレゼントにミニチュアダックスフントを贈ろうと思って。

原口主任の実家で産まれるって聞いてたから、お願いしてたんです。

大事にしてくれる人にしか譲りたくないって原口主任が言うから頼んでたんですよ……それをセンパイに聞かれるなんて。

ましてや、意味不明の勘違い。呆れる、いやここまでくると一つの才能?」


孝太がフフッと目を伏せて笑った。

悔しいけど、色っぽい。長い睫毛が上下に動いて、それだけで絵になるって。



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