甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~


孝太は天井を見詰めたまま暫く黙っていた。


そして、ゆっくりと話し出した。

「……初めての時に上手くいかなくて、相手に酷くなじられた。それがトラウマになったんですよ。

それから、キスは出来ても、肌に触れるのが怖くて。女の子を好きにもなれない。だけど女の子は寄ってくる。

取り敢えずの彼女が居ても、キス以上も出来ない。

だから、すぐ別れる。今までその繰り返しでした」


確かに、彼女が変わるサイクルは早かったけど。

そんな事情があったなんて思わなかった。


「あたしには触れられるの?」

「初めて、抱きたいと思いました」

孝太の言葉が胸に響いた。


「だったら大丈夫だよ。あたしだって、そんな経験豊富って訳でもないし。
抱き締めあってるだけでも嬉しいと思う。

孝太とだったら、それだけでも十分だよ」

そう言って、横を向いたら孝太と目が合った。



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