甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~
「カナ、こっち向いてよ」
「ん~眠たいからヤダ」
わざと素っ気なく返すと、あたしを抱き締めている腕に力が入った。
「苦しいっ!」
「俺の方に向いて」
「もうっ」
……苦しいなんて嘘。
本当は嬉しい。
あたしを抱き締める力強い腕や、耳にかかる孝太の吐息も。
何もかもが、夢じゃないんだよって、言ってくれてるみたいで。
こんな時に、素直に甘えられる女の子だったら良かった。
だけど、そんなのあたしのキャラじゃないし。
いきなり甘えたりしたら、孝太はビックリするだろうし。
だから、あたしは振り向けなかった。