奈那子が死んだ
「担任の先生呼んできて」
うん、とうなずいて、職員室に弥英ちゃんは入っていった。
壁によさりかかって弥英ちゃんを待っていると、弥英ちゃんが顔を出した。
そのあとに続いて優しそうな中年の女の人が出てきた。
「初めまして、桐島さんの担任を務めさせていただいている川原です。」
「あ、従兄の桐島和臣です。初めまして」
話してみた感じもとても優しそうな人だった。
「うちの実家はここから遠いので、私の家で預かることになりました。至らぬ点はありますが、よろしくお願いします。」
「いえいえ、こちらとしてもなるべく協力しますので」
「では、自分は仕事がありますので失礼します」
深々と頭を下げ、弥英ちゃんの頭をポンとたたき笹川学園をあとにする。