奈那子が死んだ



 「おっす、桐島。大変だったみたいだな。」

 「んーあー、まあ大変なのはこれからなんだけどね」


 俺がはぁっとため息をつきながらパソコンに目をやる。

 すると隣のデスクである藤沢慎哉は戸惑っていたが、無理もない。


 「昼飯んときでも聞かせろよ。」


 ばんっと俺の背中をたたいて、藤沢は仕事に取り掛かった。

 それを見て、俺は休んでいた時の分の仕事に取り掛かった。


 たまっていた仕事の量はほんとにほんとに半端なかった。

 めがまわりそうとはこういうことかというぐらい忙しかった。

 すさまじい勢いでキーボードをたたいていると、肩をたたかれた。

 ふっと後ろを振り向くと、ニコリと笑う藤沢と同期の下野がいた。


 「きーりーしーまー、めーしーくーおー」


 そういって微笑む下野は同い年に見えないぐらい童顔だ。

 ちなみに藤沢は社内でも1,2を争うイケメンで女に誘われているのをちょくちょく見る。



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