奈那子が死んだ


 「奈那子さんの娘さんに手なんか出せるわけないだろうが。」

 「そんな気にすることじゃなくね~」

 「娘まではいかなくても妹みたいなもんなんだよ」


 2人がぐだぐだとしゃべっているのを無視して弁当を食べる。

 すると机の上に置いておいた携帯がいきなり震えだす。

 携帯を開いてみると弥英ちゃんからメールが来ていた。

 内容はお弁当の礼を伝えるものだった。


 「何々、桐島、JKちゃんにお弁当作ってあげてんの?」

 「和ぴょん、貢いでるの?やるねー、女子高生ちゃん」


 そういって2人はにやにやと笑い始めた。


 「しょうがないだろ、俺は弥英ちゃんの保護者なんだから」

 「ふーん、弥英ちゃんっていうんだ。今度会わせてよ~」

 「オオカミさんのなかに可愛い娘を投げ入れることはできません~」


 ぶーぶーと文句をいう藤沢と下野をほっときながら、残りの弁当を食べる。

 この2人に弥英ちゃんのこと話すのはまずかったかな、なんて後悔をする。



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