小鳥と恋愛小説家
「嘘…………だって………っ………」
戸惑うあたしにツバサさんは不機嫌そうな瞳をチラリと向けた。
「だいたい、あたしとカナヤは初めから付き合ってないの。
あのど天然……!
最初にそういう条件出してあたしの傍にいたのよ!
いくら迫っても手も握りやしなかったわ……!!」
「……………!」
ふんっと鼻を鳴らして、ツバサさんは今度こそあたしに背を向けた。
「あの………ツバサさ………」
「あたしは、もうカナヤを言い訳にするのは辞めるわ。
あたしには、カナヤじゃなくても傍にいてくれる人がいる……。
だからドナーが見つかるまで意地でも死なないわ。
…………ごめんなさい…小鳥…」
「……………!!」
「早く………行きなさいよ!!アイツ自殺しかねないわよ!!」
背を向けたまま、ツバサさんは震える声であたしを怒鳴り付けた。
初めてあたしの名前を呼んで…………謝ってくれた。
それはとても小さな声で………とても、ツバサさんらしい、―――精一杯の謝罪だった。
「ありがとう………!!」
「……………!」
あたしはツバサさんに泣きながら笑った。
ただただ…………
――――嬉しかった。